会社を元気にするための事業活性化・経営・補助金活用の知恵袋

ジュエリー業界や小売業にとどまらず、中小企業の皆さんのお役立ち情報を随時配信中。補助金活用、経営体質の改善、事業活性化に繋がる新規事業展開などが主なテーマです。

2020年11月

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
最近読んだ本のなかで面白かった書籍について書きます。

厳しい状況が続く宝飾業界においても、生き残るヒント、ポイントになりそうな
事例を以下記載します。

<どんな危機的な状況にあっても会社を守り抜くために…>
事例1.無闇に事業拡大をせず、オンリーワン事業に特化している
業種… 北陸エリアの運送業
・運送業者…全国に約62,000社(コンビニ57,000店 よりも多い)
 苛烈な競争業種
・副業でやっていた保管業をきっかけに、運送業→タイヤ保管業に事業モデル
 を転換
・冬になるとスタッドレスタイヤに交換…ノーマルタイヤを預かる
 春になるになるとノーマルタイヤに交換…スタッドレスタイヤを預かる
 →年間を通じて空きがなく、安定した収益が確保できる
  運送業を撤退して経営資源をタイヤ保管業に集中、順調にエリア拡大も果たし成功
  している

事例2.市場が縮小していくときこそ、他に逃げ場を求めずに本物のプロの技で勝負する。
業種… 東京の老舗海苔屋
・コメ需要の落ち込みに連動して海苔の消費量も低下の一途。
・海苔の生産環境の劣化で収穫量も減少のダブルパンチ。
・「海苔は旨いんだ」と再認識してもらうことが大事であると、自慢の高級海苔を敷き
 詰めた高級海苔弁当を開発。(1人前1500円)
・干物を焼いて試食するところからヒントを得て、1人前の海苔を秘伝の醤油ダレを
 付けて、その場で焼いて、香りとパリッとした食感を味わってもらう試みが功を奏す。
→大手デパートからも出店要請が来るなど、売れ行きに火が付いた。


・いずれの事例でも、縮小するマーケット・過当競争のなかで旧態依然で同じことを
やり続けるのではなく、自分の強みを掘り下げて他社と違うことに取り組む、相手の
困っているところにピンポイントで入り込む、相手を驚かせるような価値訴求など、
知恵と創意工夫を凝らして苦境を乗り切っています。
こういう事例は宝飾業界でも通じる要素があると思います。

今日はこのへんで。最後までお読みいただいてありがとうございました。


左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今日はコロナ禍でなかなか攻めに転じづらい状況のなかで守りを固めて生き残る
ポイントを書きます。

そのポイントは資金繰りです。
会社がいくら赤字だろうが、債務超過だろうが、従業員への給与や取引先への
支払のための手元現金が底をつかなければ倒産しません。
逆に黒字経営の成長企業でも資金需要が急増して、決済資金の手当てが追い付か
なければ倒産します。

経営者の皆さんは資金繰り表を毎月チェックしてますか?
自ら作成はしなくても毎月 必ずチェックしましょう。
資金繰り表を作っていないという会社がもしあれば 経営にマストなものなので
早速作りましょう。

資金繰り表を作る理由は大きく3つあります
1.資金調達を円滑にする
  金融機関からお金を借りるのに必ず必要になります。
  また、相手と交渉するのに、いつまでに いくら 必要なのか、という根幹部分も
  明確にするためにも必須です

2.資金繰りの危機を先読みする
  資金繰り表をきちんと作っていないと先読みができず、2週間後に資金がマイナス
       になるとかとにかく後手に回ります。
  金融機関も大企業のサラリーマンの縮図のような組織なので、お金が必要だと言っ
  ても、こちらの都合・タイミングでお金を貸してくれません。銀行借入以外の手段も
  時間がないと全く検討することができず、いざという時の選択肢も限られてしまい
  ます。資金繰りは3か月先までを常に見ることが大事です。

3.資金の有効活用・調達コスト削減を図る  
  資金繰りを好転させるための手段は何も銀行借入だけではありません。
  
  <資金繰りを好転させる手段例> ※銀行借入以外  
  1)生命保険の契約者貸し付けを利用する
    生命保険の解約返戻金を担保にし、保険会社からお金を融資してもらえる制度が、
    契約者貸付制度です。
    借りられるお金の上限は、解約返戻金のおよそ7~8割が一般的といわれています
    ので、この解約返戻金の額が高くなる保険商品やプランを組んでいる方ほど、
    たくさんのお金を借り入れられることになります。
    また、あくまでも解約返戻金を担保として借り入れを行うしくみですので、
    一般的な定期保険のようにかけ捨てタイプの生命保険の場合は、この制度を
    使うことはできません。
  2)税金と社会保険費用について分納交渉する
  3)買掛金の支払(手形含む)を伸ばす交渉をする
    4)売掛金をの前倒し回収交渉をする
    5)不要不急の支出を抑える  

  銀行借入を起こすと金利というコストが発生しますが、上記のような対策をミックス
  させることで資金繰り好転と利益減少を抑えることに繋がります。
  安易に銀行借入ばかりに頼ると、利益が吹っ飛んで次回以後の借り換えに支障をきたす
  など、本末転倒なことにもなりかねません。資金繰り表を先を照らすライトだと思って
  作って毎月確認して何かあればすぐに動ける体制を作っておきましょう。

  今日はこのへんで。最後までお読みいただいてありがとうございました。

↑このページのトップヘ