会社を元気にするための事業活性化・経営・補助金活用の知恵袋

ジュエリー業界や小売業にとどまらず、中小企業の皆さんのお役立ち情報を随時配信中。補助金活用、経営体質の改善、事業活性化に繋がる新規事業展開などが主なテーマです。

2019年01月


左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今日はメジャーリーグから学んでいきたいと思います。
先日、あるお取引先の賀詞交歓会に参加して、国際ビジネス&スポーツアナ
リストのタック川本さんの講演を聞きました。
その内容がとても素晴らしかったので、一部をご紹介します。

メジャーリーガーで活躍する選手と、その下である3Aに所属する選手の
技術的な差はほぼなく、人間的な要素が大きいそうです。
メジャーリーグで一流になるには、何個か要素があると言っておられましたが、
特に企業経営者やビジネスマンにも共通するものとして以下の3つがあります。

1.自己満足しない
メジャーリーグでも一流選手は決して自己満足しないのです。
アメリカでは、好奇心いっぱいで絶対に自己満足しない人間を「キュリアスキッズ」
と呼びます。Curious=物を知りたがる、好奇心が強い という意味です。
なぜ?なぜ?と色々な物事に興味と好奇心を持ち、トライし、失敗して経験を積んで
そこから学びを得て成長していく・・・。
あの2,216試合連続出場のカル・リプケン・ジュニア選手も典型的なキュリアスキッズ
(大人になっても)だったそうです。

小売店の経営者の皆さんもこのキュリアスさを是非真似てほしいです。
例えば、当たり前のことですが お店の現場にこまめに行ってお客の生の反応や行動
を見る、店長や従業員ともコミュニケーションを取る…、海外に市場視察に行った際も
現地の小売店の状況チェックや面白そうな商材はないか探す…競合他店はどこが良くて、
どこが弱いかを調べる、翻って自社はどうで、どうすれば地域でNo1になれるのだろうか…?

2.拒否されてもひるまない
自分の夢や目標を妨げる人の発言に屈しないことです。
自分のことを断片的にしか知らない他人の言葉を真に受けていては、一生自分の夢は
叶わない。一流のメジャー選手は例外なく、「オレはメジャーリーガーになる」という
夢を強く信じ、周囲の敗北のメッセージにも屈せず、勇気を持って自分の道を突き進み、
成功しています。

以前読んだ書籍にも載っていましたが、ニーチェも以下のように言っています。

世界には、きみ以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。
その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め。
There is only way no one can walk besides you in the world.
A field’s reaching where or, you aren’t supposed to care.
Advance earnestly.

3.高い理想、夢を持つ
人として誇れるような高い目標を持つことです。
高い理想や夢を持ち、実現に向けて動いているからこそ、他人にちょっと言われたくらい
では心が折れたり、気持ちが鈍ったりしないとも言えます。
メジャーリーガーは野球だけをしていれば良いと教育されていません。稼いだお金を使って
自分が生まれ育った地域に還元し、学校や病院を建てて、経済的に恵まれない人々を助ける
とかそういった目標設定もして、実現させています。生き方そのものも一流ということが
メジャーで一流になるための条件だそうです。

ですので、小売店経営者の皆さんも「地域No1になる」(もっと崇高な理想でも当然良い
ですが)という理想を掲げて、そのためにはどうすれば良いか好奇心を持って聞いたり、
調べたり、決めたことをやってみて、ご自分の道をひたすらに突き進んでいきましょう。
そういう前向きな経営者の方々を心より応援しています。
最後までお読みいただいてありがとうございました。


左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今日は親族外の事業承継について掘り下げてみます。

先日セミナーを受けてきた内容がベースになります。
経営者Aさん(70歳代)は子どもがいないが、長年右腕として支えてきた
専務のBさん(60歳代))がいます。AさんはBさんに自分が引退して後を
任せたいと考えました。
社内の経営幹部であるBさんへの株式売却、一般的には「MBO」
(マネジメントバイアウト)を検討することになります。
そのときのポイントは以下の3点です。

1.現経営者Aさんからの条件を整理する
通常のM&Aと同様に、株式の譲渡価額の算定、譲渡条件の提示が必要となります。
経営幹部の手元資金はそれほどないことが多いので、通常のM&Aに比べてMBOでは
譲渡価額が低くなることが多いようです。
概算を算出する場合は以下でザックリ把握することができます。

株式譲渡総額の計算式(EV/EBITA計算倍率)

株式時価総額
=(営業利益+減価償却費)×倍率+現金等価物-有利子負債

例:
(1)営業利益    3,500万円
(2)減価償却費     500万円
(3)現金等価物   5,000万円
(4)有利子負債 1億2,000万円
※倍率は6倍が一般的なようです
   
株式時価総額
=(3,500万円+500万円)×6+5,000万円-1億2,000万円
1億7,000万円

収益性が高く、資産性が高い(借入が少ない)会社ほど、高額になりますので、
一度計算されてみることをお勧めします。

また会社が融資を受けていれば承継後の連帯保証人は専務のBさんになります。
事業を継げるか否かは、経営者Aさんや専務のBさんの想いだけではなく、
金銭的な条件やリスクを受け入れられるかが重要です。

2.専務のBさんに承継してほしい意図と条件を説明する
上記1で整理した条件をもとに、Bさんに説明・打診をしてみましょう。
Bさんにとっては長年の苦労や功績が評価され、信頼の証でもあるので、嬉しいはず
です。条件云々は置いといて、そもそも継ぐ意思があるのかどうかが非常に重要です。

3.具体的な承継プランを描き、実行する
事業承継には「資産の承継」「経営の承継」の2つがあります。

資産の承継については、専務のBさん個人に十分な手元資金がなくても、金融機関から
個人で借り入れたり、経営者Aさんが株価を下げることで、折り合いをつけていくこと
が可能です。
経営の承継については、本当に経営者として引き継いでやっていけるかどうかが重要です。
先般読んだ本でここについては、確信祈りと書いていました。確信を持って後継者
を選び、
経営者として修羅場を経験し成長していくことを祈る…その通りと思います。

多くの経営者の皆さんは何となく、継いでくれるかなあ?くらいで止まってしまうことが
ほとんどと思いますが、一度将来のことを真剣に考え、選択肢を具体的に検討してみること
をおすすめします。最後までお読みいただいてありがとうございました。

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今回はけっこう堅めの内容ですが、経営判断の精度を高めて企業の戦闘力を
上げて
いくことについて考えたいと思います。

企業経営において、経営判断をする際、決断が本当に難しい内容であるという
よりも実は判断に足る十分な情報・材料が揃っていない場合が大半です。
勘や理屈でのジャッジは後回しにして、まず身体を動かして事実を探りましょう。
社内で聞き取りする際も、相手の話を鵜呑みにしてはいけません。
(以下は私が以前業務プロセスを再構築するプロジェクト推進や新規事業の立ち上げの際に
 実際にあった話です・・・)

例えば 1.訪問件数がうちの部署は多い、メンバーは頑張っている
    →多いとは何をもとに多いのか?そもそも何件なのか?
     その実訪問件数も何かの基準と比較して客観的に多いと言えるのか?
     中身を見ると 自分が行きやすい所にアポなしの訪問(既存顧客に顔見せに
     いくだけ)で、会社的には重要度の低い訪問で件数稼ぎをしていました。
     自社から見た顧客の重要度を再定義し、Aランク先への訪問を月〇件以上と
     目標設定しました。

    2.製品カテゴリーAは会社の黒字を叩き出している看板商品
    →製品別の原価を細かく弾き出してみたうえで、セール販売時の販促費を
    振り分けたら売り上げは最も大きいものの、カテゴリーAは営業段階で赤字。
    売れていてかつ赤字の商品群は 業者への加工原価交渉と小売価格の引き上げを
    セットで行い、売れていない赤字商品は終売としました。   

    3.加工業務のB工程を多少ミスもあるが複数人で遅くまで残業して頑張っている
    →買取品のスペックを調べて登録する人と、それを踏まえて値付けをする人を
    わざわざ別々にしていました。部署も統合して業務も同じ人が一気通貫に行う
    よう組織と業務フローを変えました。

このように、相手の話を表面的に聞いて分かったようになってはいけない、実態や問題
の本質
がどこなのか、当たりを付けながら探求する、裏読みをしていくことが必要です。
(と言ってもけっこう難しいことなので、私も表面的な話に飛びついて過去色々と痛い目に
 逢いました・・・)
業務プロセス再構築の際、ファクトを拾い上げて問題点をクリアにした後
の問題解決の切り口としてECRSの4原則が役立ちます。
(業務改善のインパクトもこのECRSの順番通りと言われているので、この順番で考えて
 いくのが良いでしょう)
           
Eliminate(排除)    →上記2が該当:赤字商品をなくす
Combine(結合)    →上記3が該当:分断していた業務を同じ人にくっつける
Rearrange(入替え)→上記1が該当:訪問対象をより重要度の高い顧客に交換する
Simplify(簡素化)  →共通化する(今話題の日産の部品共通化が典型例です) 

そして何より、こうした形で業務プロセスを変えるという経営判断・意思決定をした場合
も、経営者の皆さんはそこで安心してはいけません。
その後 きちんとその通り回っているか(大概何らかの理由でうまくいっていない
ことのほうが多いです)をチェックして、しつこくフォローしていくことが非常に
重要です。測定対象を明確に決めて(数値化するのがベストです)、だれが いつ
チェックするのかルールを作って継続的にモニタリングしていきましょう。
会社を良くしていこう、変えていこうとする時は 強い決意を持って社内を揺らすことが
大事です。どの程度 揺れたかを常に自分でチェックすることをお勧めします! 

最後までお読みいただいてありがとうございました。 

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今日は資産管理アプリについて書きます。
某リサイクル大手企業が昨年に資産管理アプリなるものをリリースしたと
いうので、「ジュエリー宝飾業界をセカンダリーマーケット軸で元気にできる」
と考える私も実際に使ってみました。

自分が保有しているアイテムの写真を撮ってプルダウン選択と一部情報を
手入力して記載して登録すれば、査定してくれます。
そして、そのアイテムの資産価値(=買取額)に変動があればプッシュ通知
してくれますし、時系列で資産価値の変動も把握できます。
要するに持っているモノの価値の見える化というやつですね。
カテゴリーは時計、バッグ、アクセ・小物・ブランドジュエリーの4つで、
現状はブランド品に限ります。
アプリをリリースして数か月くらいですが、登録ベースで10万点、登録された
資産総額は約16億円、金額ベースで約75%が時計とのことです。
けっこう反響ありますよね。けっこうすごい数字と思います。
すぐには売らないが、もしも今売ったとしたらいくらぐらいなの?
でもわざわざ店で査定するほどでもないけど、知りたいという感じでしょうか。

アプリによって、わざわざ来店せずに接客を受けずに概算の買取価格を気楽に
把握でき、かつ買取価格の変動もキャッチできるのが素晴らしい点と思います。
大手のリサイクル店などに行けば当然査定してくれますが、整理券を取って待た
されたり、お店によっては査定してもらうだけなのに身分証を出せと言われたり、
席に座ってもあれこれ聞かれるし…けっこうハードルが高いですよね。

アプリの画面がこれです。
(私の私物である当該品を載せるのは恥ずかしいので一部加工しています)
資産管理アプリ画面①
資産管理アプリ②

私も時計を登録しましたが、自分が思っていたよりも値は高く、最近の値動きを
見るとアップトレンドということも初めて知りました。 
特にジュエリーについては、ノンブランドジュエリーのデザインの新旧や石の
スペックを評価して査定金額に落とすことができればより網羅性が高まって
ユーザーの利便性はより増すと思います。

あのドラッガーでさえも、産業の構造変化は、その産業の外にいる者に例外的
ともいうべき機会を与える。産業の内にいる者には同じ変化が脅威に映る。
言っています。
業界内に長くいるとどうしても思い切ったことを自分が最初に行いにくいので、
このような異業種からの変化をきっかけにして自分たちの変革・革新に繋げて
いけば良い
と考えましょう!
逆に、うかうかしていると他業種の企業にドンドン持っていかれてしまいます。
ジュエリー・宝飾小売店の生き残る一つの切り口が整理処分・有効活用ニーズ
への対応です。意外に取り組めていない企業が未だに多いように見受けられ
ますので、今年こそ本腰を入れて一緒に取り組んでいきましょう。
最後お読みいただいてありがとうございました。

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
年が明けてからの第1回目の記事になります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今日は個人ひいては組織をいかに変えていくかについて考えたいと思います。
以前読んだ本のなかで、自分を変えるために最も意識すべきものは何か?
→それは「習慣」である!と書いてありました。

私も物凄く共感を覚えました。
私自身もご縁と御恩を頂いたジュエリー宝飾業界の小売店(特に中小企業の
皆様)のお役に立ちたいという想いがあり、その想い具体化・言語化して
想いを実現するためのツールとしてブログを立ち上げました。
一過性のものではなく、コツコツと考えて整理して書き続ければそれが習慣
になり、自ずと人格になり、それが運命を作って行く…。
本に触発されてそう念じながらブログを書いています。

ですので、企業も同じで何かを変えていこうと思ったら、当たり前にやること
を決めて、個々人がやり切り、それをしつこく繰り返して習慣にしていく。
個人の習慣が組織にも波及すれば、組織の文化・風土の醸成にも
繋がっていきます。
掃除をする、ピリッとした朝礼を行う、ハガキを書く、会議の議事録を作る
決めたアクションを実行してその結果を検証する、その次の一手を考える…
こういったことを当たり前の習慣にして、毎日地道にやっていけば これだけで
全てが解決するわけではありませんが、企業のレベルは確実に上がると信じています。
最後までお読みいただいてありがとうございました。

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