会社を元気にするための事業活性化・経営・補助金活用の知恵袋

ジュエリー業界や小売業にとどまらず、中小企業の皆さんのお役立ち情報を随時配信中。補助金活用、経営体質の改善、事業活性化に繋がる新規事業展開などが主なテーマです。

補助金活用、戦略的な新規事業展開や経営体質の改善をテーマとするほか、最近読んだ書籍のなかで中小企業の皆様に役立つことを情報発信しています。
中小企業診断士 広岡 徹也(認定経営革新等支援機関:個人)
↓認定支援機関のページ  
https://ninteishien.force.com/NSK_CertifiedRecordView?id=a0D1000001SG77JEAT

補助金×前向き新規事業を成功させるナビゲーターの広岡徹也です。

今日も前回に引き続いて中小企業のM&Aについて書きます。
売り手側と買い手側の交渉が煮詰まってくると、後半で事業デューデリ
(買い手側が売り手側の買収にあたり、買うという意思決定のための
売り手企業の精緻な分析・調査)を行います。

買い手から売り手企業を見たときにどんな優位性、差別化要素があるか、
逆にどんな問題点や課題を抱えているか、その課題は克服可能なのか、
買収にあたってのリスクが顕在化しそうかなどを明らかにしたうえで、
投資判断・意思決定に繋げます。

買い手から見て、事業デューデリを通じて買収を躊躇させる可能性の
ある、よくあるものとして具体例を挙げていきます。

1)財務・税務面
◆偶発債務の顕在化
 例 認識していない保証先から保証債務の履行請求を受ける
◆簿外債務の判明
 例 過去の粉飾決算に係る簿外債務の発覚
◆不良資産の判明
 例 回収不能な大口の売掛金が発覚

2)顧客・取引面
◆反社勢力取引判明
 例 取引先の中に反社会的勢力の舎弟企業の存在が判明
◆重要顧客の取引解消
 例 販売先のうちシェア上位の重要顧客の取引が解消

3)組織人材面
◆人材の流出 
例 買収にあたり事業のキーマンをはじめ複数の従業員が離職
◆組織融合の不和
例 買収統合後、従業員同士が融和せず、業績が落ち込む
◆過去の労働債務請求
例 退職した従業員から未払残業代請求を受ける

4)契約・法務面
◆許認可関連の不備
例 過去の届け出不備で許認可業務が停止する恐れがある 
◆損害賠償の請求
例 取引先から損害賠償請求を受ける
◆取引契約の不備
例 取引先との基本契約に一方的に不利な条項が判明

会社を売るときもそうですが、身内に事業を承継する際も同様です。
会社の中身は身ぎれいにして、後でこんなこと聞いていないと言われない
よう、スムーズにバトンを渡していきましょう。

今日はこのへんで。最後までお読みいただいてありがとうございました。

補助金×前向き新規事業を成功させるナビゲーターの広岡徹也です。

今日は中小企業のM&Aについて書きます。
つい先月ですが、個人として国のM&A支援機関に申請し登録が完了しました。
中小企業診断士の資格をもとに、申請準備をして意外と簡単に
登録できました。
本格的にM&Aの相談を受けて対応するには勉強と経験が必須です
ので、ここからがスタートと思っています。

今後、親族内や番頭格の従業員への事業承継が進まない企業については
M&Aも有力な事業継続・成長発展の選択肢としてクローズアップされ
てくると確信しています。
先日、中小企業のM&Aについての座学の研修を受けて私なりに
感じたこと、売り手側から見たポイントは下記です。

1.買い手企業のペルソナを作る
 エリア 年商規模 業種 経営者の人柄 年齢 …など

2.M&Aの形態
 より高値での売却を考えるなら水平統合ではなく、垂直統合を考える
 例 買い手企業が小売業なら同じ小売業(水平統合)ではなく、川上の
   製造業や卸売業(垂直統合)への売却を考える

3.自社の強みを改めて洗い出し、それぞれを掘り下げてみる
 自分が強みと思いっていても、汎用的な設備を導入すればキャッチアップ
 できるものであれば、必ずしも強みとは言い切れません。
 より相手に響く「強み」、相手が欲しがるノウハウって何なのかを明確にします。

これら以外にもまだまだありますが、色々挙げ過ぎてもわかりにくくなるので
この辺にしておきます。
なぜ2で垂直統合がおススメかと言うと、チャレンジングな新事業展開のケース
が多いからです。
そうなると、当然ですがノウハウやコア人材もいないなかで新分野へ挑戦するため、
そうした無形のノウハウ・技術や優秀な人材は重宝され高値が付きやすくなります。

逆に、小売業が小売業が買うというような水平統合の場合、売上シェア拡大目的が
圧倒的で、ノウハウや技術は既にあり、人材は人材でも現場を回していくための頭数
=オペレーション人材の要望が多くなります。結果、買収価格は上がりにくくなります。

今日はこのへんで。最後までお読みいただいてありがとうございました。

補助金×前向き新規事業を成功させるナビゲーターの広岡徹也です。

今日は事業再構築補助金について書きます。
今月末に第10回の採択結果が出ました。
応募枠別の採択結果は以下の通りですが、今回の特徴のひとつとして
産業構造転換枠の採択結果が他の応募枠よりも厳しい結果になっている
ことです。

10回公募結果


この産業構造転換枠は、今年新設された枠ですが、自社が主戦場とするマーケットが
縮小・衰退傾向にあるという「市場縮小要件」を満たす必要がありました。
あらかじめ国が指定する市場縮小業種はあるにはありましたが、出版業など
限られた業種のみで、それ以外は自社で市場縮小のデータや資料を示して
申請時に説明書を出して、それも含めて審査するという体裁でした。

ここからは推測ですが、産業構造転換という特にドラスティックな転換を図る枠
のため、恐らく、応募企業の経費予算が高くなりがちであったうえに、
国の市場縮小の審査も厳しめだったことも重なり、採択企業が少なかった
と思われます。

オーソドックスな申請としては成長枠か物価高騰・回復再生応援枠のどちらかで
補助金額を1,000~2,000万程度に収めて計画を作る感じがおススメです。

物価高騰・回復再生応援枠のほうであれば成長枠に必須の「賃上げ」も必須では
ないので、計画をこれから作る方には取っつきやすいと思います。
年度内において、あと1回(第12回)公募があるので検討しているかたは
ワンチャン狙っても良いですね。

今日はこのへんで。最後までお読みいただいてありがとうございました。

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