補助金×前向き新規事業を成功させるナビゲーターの広岡徹也です。
今日も前回に引き続いて中小企業のM&Aについて書きます。
売り手側と買い手側の交渉が煮詰まってくると、後半で事業デューデリ
(買い手側が売り手側の買収にあたり、買うという意思決定のための
売り手企業の精緻な分析・調査)を行います。
買い手から売り手企業を見たときにどんな優位性、差別化要素があるか、
逆にどんな問題点や課題を抱えているか、その課題は克服可能なのか、
買収にあたってのリスクが顕在化しそうかなどを明らかにしたうえで、
投資判断・意思決定に繋げます。
買い手から見て、事業デューデリを通じて買収を躊躇させる可能性の
ある、よくあるものとして具体例を挙げていきます。
1)財務・税務面
◆偶発債務の顕在化
例 認識していない保証先から保証債務の履行請求を受ける
◆簿外債務の判明
例 過去の粉飾決算に係る簿外債務の発覚
◆不良資産の判明
例 回収不能な大口の売掛金が発覚
2)顧客・取引面
◆反社勢力取引判明
例 取引先の中に反社会的勢力の舎弟企業の存在が判明
◆重要顧客の取引解消
例 販売先のうちシェア上位の重要顧客の取引が解消
3)組織人材面
◆人材の流出
例 買収にあたり事業のキーマンをはじめ複数の従業員が離職
◆組織融合の不和
例 買収統合後、従業員同士が融和せず、業績が落ち込む
◆過去の労働債務請求
例 退職した従業員から未払残業代請求を受ける
4)契約・法務面
◆許認可関連の不備
例 過去の届け出不備で許認可業務が停止する恐れがある
◆損害賠償の請求
例 取引先から損害賠償請求を受ける
◆取引契約の不備
例 取引先との基本契約に一方的に不利な条項が判明
会社を売るときもそうですが、身内に事業を承継する際も同様です。
会社の中身は身ぎれいにして、後でこんなこと聞いていないと言われない
よう、スムーズにバトンを渡していきましょう。
今日はこのへんで。最後までお読みいただいてありがとうございました。