会社を元気にするための事業活性化・経営・補助金活用の知恵袋

ジュエリー業界や小売業にとどまらず、中小企業の皆さんのお役立ち情報を随時配信中。補助金活用、経営体質の改善、事業活性化に繋がる新規事業展開などが主なテーマです。

2019年08月

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今日は以前読んだ中でエレベーターの問題設定と解決の話が面白かったので
それを書きます。

(状況)
 あるビルで、利用者から「エレベータの待ち時間が長すぎる」
 というクレームが多発。
    改善されないようだったら引っ越しもやむ無しというテナントも複数
 出ています。皆さんは解決策として何をどのように考えますか? 


 困った支配人は、エレベーター・システムの設計の専門家を呼んで、
「事情」を調べさせました。
・専門家たちは、エレベータシステムの動作やキャパシティを詳細に分析し、
  シミュレーションを行った。その結果、下記の解決策を見いだした。
 1.エレベータを増設する
 2.エレベータの機種変更を行う
 3.新たに開発されたエレベータ制御装置を新設する

・要するに、専門家たちは、大幅なコストをかけて、エレベーターを増やすか、
  取り替えるか、関連する装置を新設しないかぎり、店子から寄せられた
  クレームの問題解決は行えないと判断しました。
・また、同時に彼らは損益計算を行い、かかる費用は、このビルの収入から
  すると大き過ぎ、実現は金銭的に不可能ということが判明しました。
  かくして、エレベータシステムの改善を行うという問題解決は、完全に
  暗礁に乗り上げたかに見えました…

・支配人は、気が重いまま部下を招集し対応を相談しました。
    会議にて複数の代案が出されましたが、結果として、満足のいく解決策は
 提案されなませんでした。
・議論のペースが落ち、話の切れ間にきたとき、それまで口を開かなかった
   人事部の新人で若いアシスタントが、ひとつの提案を行いました。
 「各階のエレベータの前に、大きな鏡を置きましょう。それで問題は解決
 するのではないでしょうか?」
 意外な意見に一同はビックリしましたが、かかる費用はとても少額ですぐに
 実行できるため、まずやってみようとなりました。
   すると、2~3週間後、エレベータシステムに対するクレームはゼロになった
 のです。
  
・どういうことかと言うと、エレベータの前に置いた鏡によって、エレベータ
 を待っている人がそこを覗き込んで身だしなみを整えたり、後ろにいる魅力的な
 異性に目をやったりする時間が増えたのです。手持ち無沙汰となる待ち時間が
 減ることで、利用者の不満がなくなりました。

・要するに、いきなり解決策(手段)の話に飛びつくのではなく、問題の本質は
 何か?を見極めて、解決すべき論点設定(What)をして、それから解決策(How)
 を考えることがとても重要です。
 とかく、起きている現象に対して、WhatはそこそこにしてHowに飛びついてしまう
 ケースが多いです。
エレベーター論点設定


<ここから得られる教訓>
 1)本質を考え、問題が問題でなくなる状況を考える
 2)問題の対象領域を広げて考える
   エレベータではなく、エレベータホール

今日はこのへんで。最後までお読みいただいてありがとうございました。

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今日は免税販売手続の電子化について書きます。
免税店の届け出をしている小売店の皆さんは対象となります。
私も国税庁から出ているQ&A(60ページちょっとある)も読みましたが、情報量が
とても多いので要点ポイントをまとめました。ご参考にしてください。

主な変更の概要は以下の通りです。

1.変更時期
  2020年4月1日~
  ※注 2021年9月30日までは、経過措置として、従来の書面による免税販売手続
  をすることができます。2021年10月1日より今回の電子化に一本化されます。

2.背景
  東京オリンピック(2020年7月24日~8月9日)の前後に外国人旅行者の大幅増加が
  見込まれ、外国人旅行者の利便性向上を図ることが主な目的と考えられます。
  <主な外国人旅行者のメリット>
  1)旅行者が小売店等で物品購買時、免税帳票作成時間の短縮
  2)大量購入した際、パスポートが分厚くなることがなくなる など

3.変更のビフォー アフター

53 .免税電子化


4.変更の主な要点
  <小売店での購買時>
  ・物品引渡しとセットで行っていた紙の帳票作成(購入者誓約書→旅行者作成、
   購入記録票→店舗側作成)がなくなる

  <購買後の小売店のオペレーション>
  ・商品引渡・決済完了後、小売店が速やかに購入記録情報を作成し、国税庁の
   「免税販売管理システム」に購入記録情報をデータで送る必要がある。
   ※取引1件単位で送る必要がある ←けっこうな手間ですね
   だれの情報  … パスポート情報をもとに外国人旅行者
   何を     … 商品購入情報
   どのように  … インターネット経由でデータ送信(やり方は複数あるもよう)

  <出国時の外国人旅行者>
  ・税関にて、パスポートに添付された購入記録表ではなく、国税庁のデータと
   パスポートを突き合わせてチェックを受ける。 

5.必須となる準備について
  1)届出書の作成提出
  ・所轄の税務署長宛てに提出
  ・税務署の届出承認後、データ送付時の必須事項である「識別符号」が小売店に
   付与される。

届出書記入例

  2)データを送付する体制の構築(システム構築)
  ・国税庁の資料を見ても、国税庁の「免税販売管理システム」はあくまでもデータを
   受信する受け皿のようなもので、そこにデータ送信する仕組みは各企業で構築する
   必要があると思われます。(送る仕組みを作るのは企業側が負担、有料)
  ・大きく、自社で送信システム環境を構築するか、システム事業者のパッケージ
   システム
をクラウド利用するかの2通りがあると考えられますが、頻度や費用対効果
   から見て
後者(クラウド利用)のほうが現実的と思います。
   19年5月に免税販売管理システムのAPI仕様が公開されたばかりで、民間のシステム
   開発業者が現在開発中のようです。
   ※電子証明書の取得も必要です。帝国データバンクのもので、3年で33,000円。

特に5.2)のデータ送信のシステム構築が結構大変と思います。
一般の中小企業はクラウドで十分と思います。今日はこのへんで。最後までお読みいただき、
ありがとうございました。  

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今回は外部環境をベースに自社の商売を考えてみたいと思います。
巷では、少子高齢化と盛んに言っていますが、最近読んだ本の中から考えると、
「人口減少」と「高齢化」がポイントなんです。
外国との比較 人口減少

上記の表を見てもらうと分かる通り、日本は2060年には人口が2016年比で
4,101万人減少します。
他国と比較すると、その減少の凄まじさが分かりますよね。
韓国まるまる1国分の人口が減少するイメージです。
 
人口推移予測
上記の表は国内の世代別の人口推移予測です。
いわゆる生産年齢人口(15~64歳)は2060年には42.5%減る一方で、65歳
以上の人口2%増えます65歳以上が総人口に占める割合も、2015年 26.8%
から2060年 39.9%に増えます。
この数字を踏まえて、5年後 10年後 自社の商売をどのように展開していくか
を考えてほしいのです。
客が来ない・少ない、人口も減っていくと言っても、65歳以上の人に限れば、
40年後もボリュームは増えるわけです。必要以上に悲観的になる必要はありません。

自社の顧客の年齢構成や地域の人口動態がどうなっているかにもよりますが、
基本的には65歳以上のシニアをコアターゲットにして来店頻度を高く、気軽に
利用してもらい、その方々のお役に立つことを突き詰めていくのがベストと思います。

今日はこのへんで。最後までお読みいただいてありがとうございました。

↑このページのトップヘ