左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士のブログ

ジュエリー業界や小売業にとどまらず、中小企業の皆さんのお役立ち情報を随時配信中。補助金活用、経営体質の改善、事業活性化に繋がる新規事業展開などが主なテーマです。

2018年09月

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今日はジュエリーのリフォームについて考えてみます。ジュエリーの新品の市場規模(年間)が約9,000億円ジュエリーのリフォーム現状500億円程度と言われています。果たしてリフォームの現状のボリュームは適正と言えるのでしょうか?
ちなみに欧米では、ジュエリーの長い歴史に基づく作り変えての受け継ぎ文化が定着しており、ジュエリーリフォームの市場規模は新品の40%程度と言われています。そう考えると、日本では新品の10%に満たない程度ですので、まだまだ定着していない、伸びしろがあると言えます。
ジュエリーリフォームの今の現状を示す私の体験エピソードがあるのでご紹介します。
私が前職のジュエリーのセカンダリービジネスを展開する会社で新規出店の営業をしていたころ(つい最近ですが)、百貨店の本部バイヤーや売場マネージャーに必ず言われたことがあります。
(こちらとしては、百貨店内にジュエリーのリフォームや買取・修理サービスを提供する売場確保がゴールです)
それは何かと言うと、「ウチの婦人雑貨・アクセサリー売場には長い付き合いでリフォームの〇〇さんが既に入っているから、おたくを入れるのはムリですよ。リフォームは1社で十分ですから。」というセリフです。
その後、色々聞いていくと、どうやら先方はジュエリーのリフォームは新品購入後のアフターサービスなんだからどこも一緒、どうせ大して売れないのだから1社あれば良い、という考えなんです。
この考えを変えることができずに、私も幾度となく悔しい思いをしてきました。

確かに、ジュエリーの修理であれば、新品購入後のアフターサービスと理解できます。A社がやろうが、B社がやろうが、多少価格等に違いがあっても 壊れたものを使える状態にするまでで、それ以外の付加価値や独自性はありません。
しかし、ジュエリーのリフォームの場合、新品購入後のアフターサービスと捉えられているのは本質的には違っていて、ジュエリーリフォームは本来、各社それぞれ特色があって、それぞれがブランド であるべきと考えています。
その違いをお客様が理解し、そのうえで買い回りを楽しんで頂き、他のファッションアイテムと同様に、選んで頂くのがあるべき姿ではないかと思います。
そのためには、今一度リフォームを見直し、だれに 何を どのようにの3つの要素の切り口でブラッシュアップさせて新品購入とは全く違う楽しみ方があると教えてあげる必要があります。
例えばですが、若いお客さんをターゲットに据えて、3万円以下のカジュアルセミオーダーラインを拡充するのもやり方としてはアリだと思います。
誰に→20~30代の女性
何を→K10、シルバー素材のものを開発、リーズナブル(石は保有ジュエリー活用)でオシャレ
どのように→SNS上で数量限定で流行デザインモデルを発売すると告知して、カウントダウン形式で受注する(100件受注までで、今70型。残り30型みたいな) 
 納期を大幅短縮し、ファッショントレンドや季節に合わせサクッと身に付けられるようにする
 インスタで巷の新品小売店では売っていないオリジナルモデルとして、自慢・拡散してもらう

製品それ自体に大きな革新を持たせることができなくても、販売プロモーション(SNSをフル活用して若い女性に売る)や納期を大きく変えることにより、お客様にとっての魅力や付加価値も増すのではないかと考えます。私もよくお声として聞いていましたが、リフォームの受注の際に、納期が長いこともお客様のストレスになっていることが実に多いのです。せっかく高いお金を出して買ったのに、納期があまりに長いため取りに行くのを忘れてしまったり、身に着けるのに最適なシーズンが納品時には終わってしまって残念ということがよくありました。今日はこのへんにしておきます。

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士の広岡徹也です。
今回はジュエリー宝飾業界でのセカンダリービジネス展開において、いかにして富裕層のお客様を取り込むか?について考えてみたいと思います。
富裕層のお客様のジュエリー生前整理案件のご相談ですと、買取やリフォームを合わせて500万前後、うまく行きますと1,000万円程度なら軽くいくことが多いです。(勿論 数は少ないですが)
このようなお客様からのご相談をどんどん増やしていきたいのですが、傾向を知り対策を立てるとすると、富裕層のお客様の特徴として以下が挙げられます。
1.慎重(冒険しない、即断即決しない)
2.知識レベルが高い、賢い(相手の話を鵜呑みにして聞かない)
3.金銭的な余裕がある(言わずもがなですが)
4.一応の相談窓口がある(知識レベルがさらに高い親族・友人、証券会社、プライベートBKなど)
ホームページやチラシ広告等々マスで富裕層のお客様に来てくださいといくら訴えても、いきなりは来ないと思いますので、まず自社の既存顧客の情報を収集のうえ、きっちりセグメントすることをお勧めします。

手順例としては、
1)売り込みではない、お客様が喜ぶイベントを企画し、来場を促す
2)そのうえで、既存顧客に保有ジュエリー宝飾品の新サービス(保有ジュエリーのDB化)を案内
・無料で価値把握・査定(モノによっては鑑定鑑別も本来有料だが無料で行う)をお手伝いする
※ハイスペックな品物は、富裕層向けオークションに出品したときの落札想定価格も付ける
※DB登録後、必要な方、希望する方は個別に価値向上の提案を行う
3)案内の際に、説明用資料を事前に作成し情報提供する
4)納得のうえ、サービスを受けてもらい、データ登録を行う
5)各顧客の保有状況を整理する(添付画像の整理例も参考にしてください)
6)そのうえで、上位層の顧客より、個別アプローチ・提案を行う
このなかで、ポイントは特に1)と3)のところです。
1)については、富裕層のお客様は慎重であることから、宝飾品を売ることから離れて、喜んでもらえるイベントを企画し来店して頂き、お客様との距離感・関係性を深めることが最優先です。例えばですが、今女性に人気のハーバリウムの先生を呼んで美味しいいお茶を飲みながらのワークョップなどはいかがでしょうか?来れば楽しいですし、自分で作って持って帰れるとなればお客様も嬉しいのでは?と思います。
添付画像のC①の顧客のように、自社でジュエリー購入の占有率が低いが保有総数が多い方ですと、自社のファン化度合いが低いため、特に関係性を深める必要性が高いと考えてください。
3)については、知識レベルが高いお客様が多いので、お客様の知らないポイントで情報提供を行って
気づきを与えたいということです。案内用の冊子・チラシの作成にも工夫が必要ですが、相手の上を行きつつ、感情にも訴えて心を動かす必要があります。
持っているジュエリーをそのままにしておくこと=多大な損をしています!などのキャッチコピーを作ったうえで、まず価値把握をする必要性を事例ベースで説くなどのアプローチが良いと考えます。(要するに感情と理性の両面に訴えます)
それでも動かないお客様は慌てずに、定期的に顔が見えるニュースレターを手作りして、継続的にコンタクトをしていきましょう。ポテンシャルが大きいと分かった大切なお客様ですので、相手に有益な情報を提供しつつ、特別扱いをして駆け込んでくるタイミングを作り、じっくり待つのが得策です。
また、富裕層と分かったお客様には必ず生前整理をお勧めすべきです。何の事前情報もなく遺品となってしまうと譲り受けた側もどの程度の価値があるかが分からず、実際にあった例として以下のケースがあります。
1)遺族の方が、ガラクタのようなので処分=廃棄したい ※処分を断念してもらい、こちらで査定したら査定ベースで500万円でした
2)金額で査定せず個数で公平に分けようとして後で相続人間で金額差が出て大きな揉め事に発展する
富裕層顧客マトリクスジュエリーリスト
このような事態を避けるためにも、保有している当事者がジュエリー・宝飾品は資産との認識を持って、相談に足る店舗に行って正確な棚卸をすべきです。その際に自らの思い入れの有る無しも、ジュエリー1個ずつ記録しておくと、後に譲り受ける人も困らず、リフォームして形見として使うか、そうでないかのジャッジもしやすくなります。
その他、考慮すべき点として 実際に生前整理案件を成約する過程において、ジュエリー宝飾品以外の資産(時計、絵画、骨とう品など)も見てほしいとなりますので、あらかじめそちらの対応できる業者の目星を付けおくと尚良いでしょう。

在庫の3分類

左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士の広岡徹也です。
第1回目の記事で、ジュエリー宝飾品の眠っている在庫は60兆円ということはお伝えしました。今日はそのあたりを少し深堀りし、ジュエリー宝飾品をお持ちのお客様(以後オーナー様と記載します)の在庫について考えてみたいと思います。オーナー様のジュエリー宝飾品在庫は、どれも同じように塩漬けになって置きざらしになっていると思いきや、実際はそうではありません。
過去に蓄積したデータを元に検証しましたが、以下の通り、3つに分けることができます。    (別紙画像もご覧ください)
1)絶対に売らないもの 
  例:エンゲージリング
2)使わないが何となく持っており、一旦取り置いているもの 
  例:百貨店宝飾で買ったパライバトルマリンのリング 、遺品として親族より受け継いだもの
3)不要と判断、売却・整理処分するもの 
  例:喜平のネックレス
この3つのセグメントのうち、最もボリュームの大きいものは何でしょうか?
正解は2)で、オーナー様の在庫全体(個数ベース)の52.2%を占めます。
ちなみに、1)が11.6%、3)が36.2%です。
要はジュエリー宝飾品の場合、デザインも古いので身に着けないが、過去 買取ショップなどに持ち込んで査定してもらった金額を見て愕然(100万で買ったものが7万円と査定)として、売ることができずに何となく持っているというケースや、祖母や母から遺品としてもらったが、何が何なのか分からず取り合えず持っているケースが非常に多いのです。
ジュエリー小売店の皆様は、絶対数が最も少ない1)のエンゲージリフォームを力を入れて狙ったり、3)で総合リサイクル業者と買取価格を競って血みどろの戦いを繰り広げるのではなく、絶対数が多くオーナー様もどうすれば良いか分からない2)の需要喚起・問題解決に注力すべきと考えています。
ジュエリー宝飾品の場合、家や車などと違って保管場所を取らない、洋服、バッグ、靴などと違って経年劣化が少ない(=素材としての資産価値は残る)ため、この何となく消極的に保有するという行動が起きているのが実状です。
こういった場合、ではどのようにすれば良いのでしょうか?
例えば、高値で買い取ります! 1,000種類のリフォーム枠をご用意していますので、カタログをご覧ください。などの対応で良いのでしょうか?
答えは×です。
オーナー様は、金額的な価値について、過去査定していれば把握していますが、付いている石がそもそも何で、グレードは良いものなのかなど本質的な価値は分かっていないことが大半なため、価値把握のお手伝いをしたうえで、専門家の立場で相談に乗るのが正しい対応と考えます。
ご自分で買ったケースのほか、昔付き合っていた人からもらったとか、亡くなった祖母もしくは母から
遺品として譲り受け、何が何だか全く分かっていないということもよくあります。
あと、私自身が感じることとして、日本人は奥ゆかしいということです。オーナーの方々と話をしていても、最初はジュエリー宝飾品はあることにはあるが、昔祖母からもらったもののガラクタばかりで人に見ぜるのは恥ずかしいわという声が非常に多いことです。
実際に拝見すると、そんなことはなく平気で10万、20万するものがチラホラあったりしてこの石は〇〇産の非加熱のルビーで非常に良いものですよ、などと補足説明をして差し上げるとオーナー様は大変喜んでくださり、そのうえであれこれ相談に乗って結局 普段使い用のネックレスにリフォームするわと言って成約になります。
なので、譲り受けた方々との思い出もひっくるめたジュエリーへの「想い」は寄り添って傾聴しつつ、品物としての価値把握・情報提供はプロとして行い、最終的な出口はオーナー様と一緒になって考えてプロの意見も添えてアドバイスする、これがあるべき姿であり、サービスにおける付加価値なのではないかと考えています。


左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士の広岡徹也です。今回は山梨県のスーパー「やまと」を取り上げたいと思います。実はこの会社、他の方々のSNSの投稿で知ったのですが、中小企業診断士の平成22年度の2次試験のマーケティングの事例として、取り上げられていました。余談ですが、私もこの年に2回目の診断士試験を受験し、何とか合格に至ったため、鮮明に記憶に残っています。生ゴミを店舗に持って来れば処理機で堆肥にしてそれを地場の農家に提供して野菜として販売する・・・。今の時代に即した経営をやっておられるなと当時余裕がないなかでもすごいなと思っていました。最後の面接でもそんな話を試験官に話したと記憶しています。 
やまと
                                                        

その会社が昨年末に自己破産し、その社長さんが書籍を出したというので、「こうして店は潰れた」を早速読んでみました。こちらの内容は、地域で頑張っておられるジュエリー小売店の皆様にも是非知っておいてほしいものなので、ご一読をお勧めします。
                                                      
私も面識はありませんが、若いころに食品メーカーに勤めて問屋やスーパーマーケットのバイヤー相手に営業していたほか、信用調査会社にて企業調査や倒産取材をしてきた経験も踏まえると、本に書いてあることが具体的に想像でき、とても他人事とは思えませんでした。やまと元社長の小林さんのやられたことは、前社長のしがらい排除の各種改革(取引先や従業員入れ替え)、地域土着で地域のお客様が喜ぶことは即断で行う(過疎地域に車で移動販売するなど)ことや被災地支援など、素晴らしいの一言に尽きます。ただし、一つ教訓とするならば、新規出店の是非のような会社の経営に多大な影響を及ぼす案件については、企業の存続をシビアに考えて冷徹にジャッジをしていくといことではないでしょうか?私も前職でジュエリーのオーダーリフォームや買い取りを行う店舗の開発・営業を行っていましたが、相手から来た話のほぼ100%は断っていました。相手から来る新規出店の話は、大概 その場所で思ったよりも売れなくてテナントが撤退して空いている・・・だから出てくれみたいな話が大半でした。その場所で当時勤めていた会社が後釜で入ってこちらが描く収益は実地で調べても見込めない、ただし相手はマイナス情報は伏せて良い情報ばかり言ってきます。
ですので、情や楽観的な推測や相手の話を鵜呑みにすると、大概の新規出店はうまくいきません。地域貢献に資する慈善事業であれば何も問題はありませんが、営利目的の企業なので見込む収益が出るか、出ないのか最終的な判断材料はこの一つしかありません。
本書では、クレーム対応や新商品(298円の弁当開発)の話のほか、倒産後の従業員の再就職の斡旋など、トップダウンでやりきらなければいけない局面において、経営者としてあるべき対応をきっちりと取っていて、これらはなかなかやろうにも、できることではありません。引き込まれしまい、あっという間に読んでしまう内容でした。

笘・80801_蠎・イ。讒禄笘・A4A9504 - コピー
DSC_0893

記念すべき第一回目の記事アップになります。
左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士の広岡徹也と申します。
これからも どうぞよろしくお願いします!

去る8月1日、PR現代様の夏季セミナーにおきまして、ジュエリー分科会で
講演をいたしました。(業界誌にも記事としてアップされています)
http://www.e-tkb.com/imbord8/tkb_dac.cgi?page=5

その中で、ジュエリーセカンダリービジネスの事例を発表しました。
同マーケットはジュエリー宝飾のプライマリー(=新品販売)業界が年間9,000億円程度
なのに対し、売価ベースで年間60兆円規模というとてつもなく大きなものです。
しかしながら、各地で家業として展開されているジュエリー小売店の皆様からすると、
自分たちが高い粗利%を乗せて売ったものなので、今さら買い取るというのが気が引ける、
当時の売価の8%程度では、お客様からきついお叱りを受けるということで、大半の方が及び腰です。

しかし、これだけ新品が売れなくて困っている今、本当にそれで良いのでしょうか?
しかも、異業種である、総合リサイクル系の企業がこぞってジュエリー宝飾品(特に
著名な海外ブランド品)を高値で買いますとマーケティングし、顧客がそちらに流出し、
機会損失を招いている面が大きいのです。

他のファッションアイテムや生活必需品でも売った際は、二束三文になるのが当たり前で、
洋服などのようにほぼ値が付かないものも多くあります。だから、ジュエリー宝飾品で売価の8%で何ら恥じる必要はなく、顧客に丁寧に説明をしてあげればご理解頂けるものなんです。ジュエリー宝飾品を資産として見つめ直し、真正面からセカンダリービジネスに取り組むことで、集客やリフォームを含めた売上アップに活路が見いだせると考えています。

使わなくなったジュエリー宝飾品は当たり前のように信頼できるジュエリー宝飾小売店に持っていき、活用や整理のやり方を相談し、教えてもらい実行する、そして集積したジュエリー宝飾品のセカンダリーマーケットを整備して売る、買う、借りるをより活性化させる、これを実現することでマーケットは加速度的に広がっていくのでは?と考えています。

↑このページのトップヘ