左斜め上からジュエリー業界を元気にする中小企業診断士 広岡徹也です。
今日は先々月8月1日に講演した内容をセミナー・講演の主催元であるPR現代様がそのときの中身を整理してホームページにアップしてくださったので、それをもとに、小売店の勝ち残りについて考えたいと思います。
自分の写真


中身は「ジュエリーセカンダリービジネスにおけるウェブとリアルの融合」ということでした。ビジネスの立ち位置としてジュエリーのセカンダリービジネスを専業として取り組んでいるケースと、ジュエリー小売店としてプライマリー(新品)主軸で取り組んでいるケースとでは全部が全部当てはまるとは考えていませんが、生かせる部分もあると思っています。
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講演でお伝えしたかった内容としては、
1)ターゲット(喜ばせる相手)を明確にする
2)そのターゲットを意識した尖り(=独自性)を作る
3)ウェブとリアルの両面でその尖りを工夫して伝える
  →ターゲットに共感を得て付加価値を理解してもらう
4)ファン化する、顧客創造の仕組化を企業として組織として徹底して行う

この一連の流れを作ることが重要です。単にモノを並べて待ち構えて売るだけでは、店はいずれ無くなっていきます。上述した尖りが「モノ+付加価値のあるサービス」であり、「モノ+興奮する・心地よい体験」であり、それはお店それぞれがお客様を具体的にイメージして試行錯誤しながら自分たちならではのものを作るということです。
先日ご紹介した、でんかのヤマグチさんの御用聞きサービスは高付加価値の独自性そのものであり、上記の流れを実行・実現している典型例と言えます。

先日 複数の商業施設のディベロッパーの方と話をしましたが、大手ディベロッパーの商業施設でもモノ(特にアパレル)が売れないと嘆いていました。最近オープンしたショッピングセンターを見てみますと、何が特徴かというと、アパレルを筆頭とした物販店のウェイトが少なく、飲食などの非物販のウェイトが上昇していることがはっきりと見て取れます。
資本力やブランド力のある大手であれば、新しいチャネル構築(ネット通販)や扱うカテゴリーを広げたライフスタイル型ショップの展開が考えられますが、リソースに限りがある中小企業の場合、そういう戦略は取れません。
自分の扱っている商材をもう一度見つめ直し、MDの再編集を考えつつ、扱いラインを深める・掘り下げる・専門性を高めることが独自性の発揮・勝ち残りに繋がるのではないでしょうか?

8月1日のセミナー・講演でエクスペリエンスマーケティングの藤村正宏先生が基調講演の講師として話をされていて、私もその話に感銘を受けて、藤村先生の著書をその後 複数冊読みました。
ここでご紹介したいのが、花屋の成功例です。
ただ単に花を売るのではなく、バレンタインデーに「愛の告白」という体験価値を売るというものです。ヨーロッパでは愛の3大ギフトと呼ばれているものが何だかご存知でしょうか?
花 チョコレート シャンパンなんだそうです。花屋の店主はそこに着眼して、自社の花という商材を再編集し、バレンタインデーに女性から男性に贈るアイテムとして花 チョコレート シャンパンをセットにして提案しました。すると、バレンタインデーに愛の告白をしたい女性の心を鷲掴みにして飛ぶように売れたそうです。
闇雲にジュエリーの新商品や扱いラインを広げて未知なるものを売らなくても発想を変えて、既存商材の「再編集」でも独自性(ここではモノ+体験)は十分に生み出せるのです。この例は単なるモノ売りから脱却するためのヒントとして素晴らしいので、ジュエリー宝飾に置き換えた場合に応用してみたいと思っています。今日このへんで。最後までお読みいただいてありがとうございました。